愛用している家具を長く使用したい考えたときに、「どんな風にメンテナンスを行えばよいのだろう・・・」「自分で家具のお手入れをすることはできるの・・・」「イメージすら湧かない」など、なんとなく “もやもや” としたことはありませんか?
今回は、そんな “もやもや” を解消するためにも、家具メンテナンス行うときに知っておきたい、
"基礎知識” として「家具とお手入れ方法」についてご紹介します。

今回の目当て
木製家具とお手入れ方法について知る

大切なお金で購入した家具を大事に使いたいんだ。
洋服みたいに手入れって行う必要があるのかなぁ。
日常から大切に使うための考え方などあれば教えてください。

モノを大切に使用したいという考え方は素晴らしいですね。
家具は直射日光や冷暖房器の近く、湿気の多い場所で使用すると、色あせや塗装のはがれの原因になります。
そんな環境で使用することはご注意ください。

以前使用していたスツールがひび割れを起こしていたのは、冷暖房の風が直接当たるところで使用していたからかも。考えたこともなかったよ。

また、日常的に乾拭きをしてあげたり、こぼれたり汚れたりした場合はすぐにふき取るように心がけてください。
ただし、つや消し塗装の家具には家具用ワックスを使わないようにしてくださいね。使うと色ムラになる可能性があります。

ワックスかぁ。なんだか面倒なキーワードが出てきたなぁ。
よかったら丁寧に教えてほしいです。
テーブルの天板に熱い鍋やヤカンを直接置かないで!

テーブルの天板に熱いものを置くときは、新聞や広告、雑誌を敷物代わりにするとインクが溶けて取れなくなってしまいます。食事の際はテーブルクロスやランチョンマットを使って傷がつきにくく、長持ちするようにしましょう。ラッカー塗装は40〜50度程度、UV塗装は200〜300度の熱に耐えられます。ウレタン・ポリエステル樹脂は熱湯でも大丈夫ですが、直接置かないでください。また、ぬれたままのお茶碗を長時間放置すると輪ジミの原因になるので気をつけてください。輪ジミは一度つくと取れないので注意が必要です。
家具が汚れてしまった場合の対処方法からご説明します
通常の汚れ
- 1.中性洗剤をぬるま湯で100倍程度で薄め、薄め柔らかい布を浸す。
- 2.固く絞ってふき取ったあとに、ぬるま湯に浸した布で洗剤をふき取る。
- 3.乾拭きする。

食器棚などのガラス扉をクリーナーで拭く場合は、枠にクリーナーをつけないよう注意が必要です。

子供がマジックでテーブルの天板にお絵描きしたの。
どうしたらよいのかしら。困ったわぁ。

1.中性洗剤で繰り返し拭き取ってください。
【重要】シンナーなどは使用しないでくださいね。特にラッカー塗料は色落ちしてしまうので注意が必要です。ちなみに、マニキュアの汚れは落とせません。
個人的には、お子さんの残したものですから、ご家族の歴史だと思います。
大切にすることもひとつの考え方だと思いますよ。
傷がついてしまった場合
ダイニングテーブルの傷は、市販のクレヨンタイプやペンタイプの補修材で目立たなくできます。深い傷は家具用パテで埋め、着色することができますが、高度な技術が必要です。また、傷の予防には塩化ビニール素材のマットを敷かれることも有効です。ビニールクロスは傷の原因となるので、使用しないようにしましょう。

PSマットってなに?
ウオチ産業は「PSマット」、柘産業は「TSマット」、ニトリでは「FPマット」という商品で扱われています。テーブルの上に敷く塩化ビニールのマットのことです。
オイルフィニッシュ仕上げの家具のお手入れ方法について

オイルフィニッシュってなに?
「オイルフィニッシュ」とは、亜麻仁油や油性ワニスなどの乾性油を、木材の繊維の中に染み込ませながら磨き上げる塗装方法のこと。 別名「油性ステイン」とも呼ばれ、主に天井、壁、ドア、家具などに用いられます。
【01 オイルフィニッシュってなんだ?】 DIY木工にも最適 (オイル仕上げ オイル塗装)
YOUTUBEチャンネル 終末DIYさん の動画では、ウレタン塗装の違いなども丁寧に解説されていますので、よかったらご覧んください。家具愛好家の方はチャンネル登録もお勧めいたします!

我が家の椅子もたしか、オイルフィニッシュ仕上げだったわ!
永く艶を保つためにはどうすればよいのかしら。

艶を永く保つために、1〜2年に一度オイルをすり込む必要があります。
オイルはご家庭のサラダオイルでもかまいませんし、家具メーカーで専用のオイルを販売している場合もありますよ。購入店などで1度で相談されてもよいと思います。
柔らかい布にオイルを少量染み込ませ、よくすり込んだ後、別の布で乾拭されるとOKです。

梱包作業中にマジックでテーブルの天板を汚したんだ。以前はカッターで傷をつけたこともある。私が使用しているのもオイルフィニッシュ仕上げのテーブルなんだ。

目のこまかいサンドペーパーで木目に沿って丁寧に削り、オイルをすり込んでください。周囲との色むらに気をつけながら、うすく伸ばしてくださいね。
初心者必見!オイルフィニッシュ塗料はこう塗れ!木の美しさを最大限に出す方法!
湿気とカビ対策について
梅雨時期には湿気が多くなり、木の家具が湿気を吸って膨張するため、引き出しが開きにくくなることがあります。この場合、風通しの良い日陰で風に当てたり、ドライヤーの冷風を側面に当てたりすることができます。引き出しのすべりをよくするには、側面や底板にロウを塗るか、サンドペーパーをかけると良いです。また、冬場は結露が原因でカビが発生しやすくなるため、空気が通りやすくなるように家具と壁から5cm程度離して置いたり、発泡スチロールをはさむといいです。カビが生えてしまった場合は、エタノールで消毒して拭き取り、乾燥させましょう。
冬の乾燥に注意! 無垢材家具の割れ防止に効果的な3つのポイント
無垢材を使用した家具は、気温や湿度の変化により、割れや緩みが起こることがあります。しかし、設置環境や使用方法に気を付けることで、これらを防ぐことができます。

無垢材はどうして割れるの?

木材も空気が乾燥するとヒビが入ったり、割れてしまいます。人のお肌と似ていますよね!
木材は水分を含んでおり、乾燥するとヒビや割れが起こることがあるため、冬場には特に注意が必要です。
適正な含水率に乾燥処理された家具に対し、乾燥状態の環境では割れが起こりやすくなります。
対策1 : 直射日光が当たらないようにしましょう
木材の家具は、日光に長時間当たると温度が上がり、木材内部の水分が放出され、乾燥しやすくなることがあります。
さらに、オイル仕上げのテーブルでは、オイルが表面に滲み出てくることもあります。
屋内用の家具を屋外で使わないことや、直射日光が当たらない場所にテーブルを置くことが重要です。
直射日光が当たる場合は、カーテンやブラインドで遮ったり、テーブルに布を被せたりするなどの対策が必要です。
対策2 : 冷暖房が直接、長時間当たらないようにしましょう

エアコンの乾燥した空気が長時間、直接テーブルに当たると木材の乾燥が進み、割れが発生しやすくなります。
風向きを変える、風量を弱くするなどの調整が必要です。
対策3 : 加湿器を利用して湿度を調節をしましょう
冬場は空気が乾燥し、暖房器具をつけっぱなしにすることで家具の割れが起こりやすいため、加湿器で湿度を保つことが効果的です。しかし、蒸気を直接テーブルに当てると木材が膨張や反りの原因になるため、ご注意ください。

実際に割れが起きたときの補修する方法ってあるのかな?

小さな割れは、梅雨の湿度が高い時期などに閉じることもありますが、大きい割れが気になるといった場合は、木工用パテで補修することも可能ですよ。
SIEVEさんのウェブページに補修方法が掲載されていましたので、URLを記載いたしますね。
よかったら参考にされてください。
https://sieve-online.jp/special/mokubunohosyuu/
ニオイが気になる時はどうすればよいの?除去方法・効果的な対策
家具の素材である木そのものが、匂いの原因となっている場合があります。家具を購入した後、塗装や接着剤の匂いが気になる場合があります。特に食器棚などは口に触るものをしまうため、内部を中性洗剤で拭いてから風を通し、コーヒーの絞りかすや消臭炭を入れることもおすすめです。
接着剤
家具を組み立てる際には接着剤が使われることが多く、その接着剤が匂いの原因かもしれません。特に湿度や温度が高くなるほど、化学物質が揮発するため、匂いも強くなる傾向にあります。特に密封された部屋では接着剤の匂いがこもってしまう場合も考えられます。
塗料の匂い
家具の仕上げに塗料を使用する場合、匂いが気になることがあります。有機溶剤を使用する場合は匂いが比較的早く薄れますが、自然塗料を使用する場合は数か月間匂いが気になることがあります。
カビのにおい
家具には化学物質や湿気が原因で、独特な匂いが発生することがあります。化学物質は体に悪影響を及ぼすため、自然塗料など低揮発性のものを選ぶことが重要です。また、湿気が多い場所に置くとカビが発生し、匂いのもととなることもあるため、定期的な換気や湿度管理が必要です。裏面や内部にもカビが発生することがあるので、注意が必要です。
化学物質によるもの
家具には、合板や塩化ビシートなどの化学物質が使われ、独特な匂いを発することがあります。これらの化学物質はカビと同様に、体に悪影響があると言われており、注意が必要です。匂いを嗅いだときに気分が悪くなることもあります。
匂いを消す方法について
風通しを良くする
家具の匂いの原因の一つに湿気があります。風通しを良くすることで、湿気を減らし、カビの発生を抑えることができます。
換気をする
定期的に換気を行うことで、部屋の空気を入れ替えることができます。これにより、家具から発生する化学物質の匂いを軽減することができます。
除湿剤を使う
湿気を吸収してくれる除湿剤を使用することで、湿気を減らし、カビの発生を抑えることができます。また、除湿剤には匂いを吸収する効果もあるため、家具の匂いを軽減することができます。
香りの良い消臭剤を使う
香りの良い消臭剤を使用することで、家具から発生する匂いを軽減することができます。ただし、強い香りのものは逆に刺激的に感じることもあるため、控えめな香りのものを選ぶことが大切です。
日光に当てる
日光に当てることで、湿気を減らすことができます。また、日光に当てることで家具から発生する匂いを軽減する効果もあります。
適切な清掃を行う
家具を清掃することで、ホコリや汚れを落とすことができます。これにより、カビや匂いの発生を防止することができます。ただし、家具によっては素材に合わせた清掃方法が必要な場合もあるため、注意が必要です。
まとめ
テーブルの天板に熱い鍋やヤカンを直接置かない
家具が汚れてしまった場合
∟通常の汚れは、中性洗剤をぬるま湯で100倍程度で薄め、薄め柔らかい布で拭く。その後、乾拭き。
∟傷がついてしまった場合は、市販のクレヨンタイプやペンタイプの補修材で目立たなくできる。
食器棚などのガラス扉をクリーナーで拭く場合は、枠にクリーナーをつけないよう注意が必要
オイルフィニッシュ仕上げの家具のお手入れ方法
∟艶を永く保つために、1〜2年に一度オイルをすり込む必要がある。
∟傷をつけた場合は、目のこまかいサンドペーパーで木目に沿って丁寧に削り、オイルをすり込む。
冬の乾燥に注意!
∟直射日光が当たらないように
∟冷暖房が直接、長時間当たらないようにしよう
∟加湿器を利用して湿度を調節をしよう
ニオイが気になる時(接着剤、塗料の匂い、カビのにおい、化学物質によるもの)
∟風通しを良くする
∟換気をする
∟除湿剤を使う
∟香りの良い消臭剤を使う
∟日光に当てる
∟適切な清掃を行う

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